先日、ペットを飼ったことのない友人に「どうしてヒトはペットを飼うのですか?」ときかれました。「なぜ、そんなに動物をかわいいと思うの?」と。

なんで動物をかわいいと思うか。多分私は、動物はしゃべらないから、言語を持たないからこんなにかわいく感じるのだろうなぁと思います。たとえば窓の外でミャーミャー鳴いていれば「ああ、そんなに家のなかに入りたいのね。寂しかったのねよしよし」と入れてあげるし、ご飯置き場の前でミャーミャー切なく鳴いていれば「おなかをすかせてかわいそうに。よしよし今あげるからね」とご飯をあげる。こんな具合に、ヒトは猫の声を勝手に解釈して押し付けることができるのです。そしてその解釈が間違っていたとしても、彼らは何も反論してこないし、場合によってはさらにこちらに擦り寄ってきたりして、「解釈の正しさへの自信」すら与えてくれるのです。

私は疲れているとき地球上の誰とも話したくなくなるのですが、そんなときも猫は黙ってそばにいてくれます。私が投げやりな目で彼らのほうを見やっても、猫は何も言わずに見つめ返してきます。そんなとき、私は「何も言わずに放っておいてほしい」という欲求を猫がかなえてくれたことによって、勝手にこちらの意思が猫に伝わって、意思疎通がはかれたような気がしてしまいます。多分彼らは何も考えていないだろうに。

我ながらすごい妄想。