ジャニーズ社会

最近、本屋の雑誌コーナーを見ていて思う。なんとまぁ、ジャニーズだらけなのかと。映画雑誌、舞台雑誌、音楽雑誌、テレビ誌、のきなみジャニーズのタレントが表紙を飾っている。ドラマでは毎クール、どこかしらのチャンネルでジャニーズのタレントが主役を張っている。毎週ジャニーズのタレントが新曲をリリースし、歌番組に出演している。
この状況をどこか居心地悪く感じのは、私だけなのだろうか。
確かに私はジャニーズ事務所所属のタレントのファンだし、彼らの熱心な仕事ぶりに尊敬の念すら抱いて今日まで応援してきたわけだけれど、こうまでわかりやすく芸能界を牛耳られると、正直言って、かなり薄気味悪い気持ちがしてしまう。

私個人の考えとしては、アイドルの本業は「歌って踊ること」だと思っている。ドラマで主役を演じることでもない。バラエティーで笑いを取ることでもない。ラジオで軽快なトークを繰り広げることでもない。これらはあくまで全体の活動の大切な枝葉のひとつひとつであって、あくまでも根幹は、歌って踊って人気を集めることにあるのだと思う。
そのことについていまでも印象深いのが、KinKiのファンになりたてだったころ、ミュージックステーションの録画ビデオを見ていたとき。バックに数え切れないほどたくさんのジュニアの男の子たちが付いていたのだけれど、彼らはみな、メインをつとめる先輩の歌を口ずさみ、ときにはカメラ目線で、バックとは思えないほどのギラギラしたオーラをふりまいていた(もちろんついていってるだけで精一杯という雰囲気の子もいた)。それまでジャニーズのパフォーマンスをまともに目にしたことがなかった私は、このバック「ダンサー」たちのオーラに戸惑い、そして同時にアイドルというものの「歌って踊ること」に対する積極性にひたすら感心したものである。「これがアイドルか」と勝手に激しく納得してしまった記憶がある。

「アイドルの定義とは?」「アイドルの本業とは?」なんてことを語りだすと、それこそ人の数だけ解釈が存在すると思うし、こんな風に「歌って踊って、人気を集める人々」なんて安易な定義を与えること自体がナンセンスなのかも知れない。もちろん反対の意見もあるだろう。現実に、その枠におさまり切らない活動をしている人たちを私はたくさん知っているし、本業の枠を決めることが何より酷なことなのかもしれない。本当にやりたい仕事を追求するとき、アイドルという肩書きが邪魔になることもあるだろう。いまこの瞬間にも、彼らは本業以外のたくさんの能力を要求されていることも、想像に難くない。

だけど、そんなアイドルの枠を超えた活動をひときわ輝かせているのも、結局は彼らを縛る「アイドル」という枠組みなのではないか。本業をきちんとこなせてこその、俳優業、音楽業、バラエティータレント業なのではないだろうか。その本業を存分にこなすために、環境として一体何が必要なのか、あらためてあの事務所に考えてみて欲しい。


なんていいつつ、これはもうこのままなんだろうなぁとどこかで納得している自分もいるのですが……。
このままどんどんどんどんジャニーズのちからが強くなっていくのも、それはそれでよいことなのかなと思わなくもないのですが……。
Mmm……。
はぁ。それにしても最近ものが考えられない……。
論理的にものを考えるには、どうしたらいいんだろう。