殺し屋1(イチ)

わーいわーい。市さんが殺し屋1(イチ)の感想を書いてらっしゃって下さっておられます(意味不明)!! 共感する所、大ナマイトブラボーなのであります。そうですよね、あれは読む人を選ぶマンガですよね。かなり人間の本質に突っ込んだ、つーかぶっこんだマンガになっていると思います。
あのマンガの素晴らしいところは「イチ=究極のサディスト」「垣原=究極のマゾヒスト」、そしてその二人の相対する場面を完璧に演出する「ジジイ=全てを操る神に近い存在」として、きちんとした正三角形(と言うより二等辺三角形かも知れない)が作中で描かれている事で、それって物語の人物関係構造としては物凄く分かりやすいんですよね。でもああいう暴力の絡んだ性愛っていうのは、やはり普遍的な感覚では無い訳です。少なくともイチや垣原は共感しやすいキャラクターでは無い訳で(ただ、ラストの垣原の永遠を願う気持ちはかなり理解出来ました)。一般人の理解の範疇にあるキャラと言えば、金子くらいかなぁ。その辺を上手くカバーするはっきりしたキャラクタの組み立てが上手いですね。
確か作者の山本英夫さんは、1(イチ)が結構心理的な問題に突っ込んだ作品になったので、名越康文先生に相談なさったそうなんですが(どういうきっかけでかは知らない)、話し合ううちにこの様なキャラの組み立てが出来上がったらしいです。それもあってか、10巻の最後のあたりに「名越」の名前が登場人物として出てきます(笑)。クレジットとかは無いけれど。ちなみに今連載中の『ホムンクルス』の主人公はまんま「名越」です。今ではとても仲良しなお二人らしいです。ちょっと興味深い組み合わせですね。