つよしむらさき @横浜アリーナ 09/05/30 19:00

この日記には何度も書いていますが、私は喜国雅彦という漫画家がとても好きで、なかでも『月光の囁き』という作品が一等好きです。この作品を未読の方で、もしもフェチやSMに関心がある人がいらっしゃればぜひ読んでいただきたい素晴らしい作品なのですが、その漫画の中で、主人公を評したヤクザの台詞に、こんなものがあります。

ヤクザの組に乗り込んで交渉するにしては、目が熱うない。
かと言うて、ヤケおこしてすてばちになっとるような冷たさでもない。

あいつらの目は、他人と話しながら、自分の事しか見とらん目じゃ。

私はこの台詞を読むたびに、なぜだか剛さんを思い出してしまうのでした。愛や時代を叫んでいても、剛さんの目はどこか冷めていて、けど間違ってもヤケを起こして時代に身投げするようなタイプでもなく…。この人の熱は一体どこからきてどこへ返ってゆくのかと、不思議でしょうがありませんでした。
いまも不思議なんですけど。
たぶん、剛さんほど自分を深く、真摯に見つめている人はいないと思います。宮谷一彦さんという劇画家が描いたイラストで、大変印象深いものがあります。その絵は、男の裸体が描かれているんですが、非常にアクロバティックな構図で、頭が自分の肛門(!)に突き刺さっているのです。たぶん究極のナルシシズムを具現化した絵なんだと思うんですけど、剛さんにはその領域までぜひ突き進んでいただきたい気もします(そういうタイプでもないか…)。そういう剛さんが、何の因果か二人組を“組まされて”仕事をしている…というのが、何だかすごくドラマティックですてきな気がします。


とにかく、「僕」「君」「愛」のキーワードだけで30分は引き語り出来そうな勢いの剛さんに乾杯、いや、完敗した夜でした。


とりあえず楽 器 や り す ぎ(笑)ってことは思いましたが、ともかく剛さんが幸せならヲタ満足です。剛さんの「コントロールのいきわたった」歌声がすき…。あの熱すぎない感じ…。全部自分の意のままに声を制御している感じがすごい好きです。あとラストのセッションで指示を与えているさまも素敵でした…。


ともあれ、剛様の20年後が楽しみです。
(当方未曾有のおっさんブームにつき)