吉井さんの自伝

失われた愛を求めて―吉井和哉自伝

失われた愛を求めて―吉井和哉自伝

吉井さんが自分の幼少期を語るとき、何度も何度も「喪失感」という言葉を使うことが強く心に残った。失われた何かを埋めたくて、愛されたくて、この本の読者を試すように生々しく語られた事実に、なんとなく切なさを覚えてしまう。

若いころの吉井さんはなんていうか…性豪? 一体何人の女性を泣かせてきたのかわからない感じ。パンチドランカーツアーの途中で浮気がばれて、精神のバランスを崩した奥様を支えて、終わらないツアーを続けて…ってなんかもうこのころは本当にぐちゃぐちゃだったんだな…。ここまでだとは思わなかった。吉井さん…。この本で暴露されている浮気の数々は男性として決して褒められたことではないし、はっきり言って最低だと思うが、それによりわたしが愛している吉井さんの楽曲の魅力が褪せてしまうわけではない。

たとえ何をしても、吉井さんが吉井さんでなくなってしまうわけではない。
だからわたしは、知りたくないことを知ってしまった今でも、変わらずに吉井さんを応援していきたい気持ちは変わらない。その覚悟でこの本を読んだし、読んだ後も悔やむことはない。ただ、彼のまわりの人たちが、この本のことをどう受け止めているのか。それだけが少し気がかりである。


本当に「いつ見ても波乱万丈」に出られそうなくらいの過去なので、それだけでヤジウマ根性でこの本を手に取った人を満足させられる内容だと思う。いや、吉井さんって本当に太ってたんだね。相撲部屋に入らなくてよかったね。少年〜青年期の写真の掲載がゼロなのは、きっと暗黒時代だからなんだね…。わたしはどうも、太りやすい男性に弱いようです。<吉井さん、岡村ちゃん、つよっさん
ミュージシャン(というか芸能人モノ)の自伝ってビミョーだなーと思ったけど、読めばそれなりに収穫があることがわかりました。