『哀しみのベラドンナ』

このアニメ作品がエロチックすぎて正直困惑している。
少女革命ウテナ 薔薇の全貌』だかなんだかで幾原監督がこのアニメの話をしていて、長らく興味をそそられてはおったの。しかし、なんとなーく見てはいけない作品のような気がして購入を躊躇しておったの。じゃがしかし。今日中野ブロードウェイで偶然にも某二時間ドラマの帝王を見かけてしまい、小生大興奮。すっかり勢いづいてしまった小生は、ついうっかりthis DVD を購入してしまったという経緯(いきさつ)なのである。

まずジャケットのグレイと鮮やかなピンクの取り合わせがセンスを感じさせ、なんとも購入意欲を刺激する。おまけに三枚組みで、収録時間は5時間を軽くこえなおかつ価格は6000円代、など魅力的な条件がそろっていた。作画のタッチは、初期の山岸凉子を思わせるような「神経質そうでいながらグラマラス」という、不思議な印象の線で描かれている。

物語は、ジャンとジャンヌの幸せな結婚式のシーンから始まる。うっとりと誓いを立てる二人。こんな美しいシーンから何分後かには世にも恐ろしい、ジャンヌと悪魔のまぐわいの場面が始まるのだから、見ているものとしてはただただ呆気にとられるしかないじゃろう。しかもこのまぐわってるシーンの描写が本当にきつい。精神的にきつい。なんというかこう、それが女のなかでどうなっているのか、女がどう裂かれているのか如実に伝わってくるようなショッキングな描写なのである。抽象的なのに、ここまで恐ろしいレイプシーンを描くとは、虫プロ侮りがたしである。こわい。
ジャンヌに取りつく小悪魔も、「男性そのもの」として描かれている気が…。悪魔が胸元にもぐりこんで、女の乳首に引っかかって、乳首が勃起して、それから腹部をすべって下半身から侵入してくるのだけど、その間女性のあえぎ声が「あ〜〜〜あ〜〜〜」ってもう見てるこっちが発狂しそうなんですけど。やめて!こわいから!

林静一氏の作画協力や、長山藍子氏、仲代達矢氏の声の出演の事実に驚く。原画に出崎統氏の名前も。






あーもう本当にこわい。トラウマになりそう。これを見たみなさんに聞きたい。
これどーなの!?正直どーなの!!?
と問いかけたい(笑)。

私的にはジャンヌの存在があまりにも哀しすぎて、ナシの方向に傾きつつあるのですが…。
絵のタッチや、演出の類は本当に好みです。素晴らしいです。ご興味のある方は是非ご連絡ください。お貸しします。特にウテナ好きの人、ウテナのキャラのなかでアンシーが一番好きな人には一見の価値はあると思います。
ウテナのキャラでアンシーが一番好きっていう人に出会ったことがないな、そういえば。