剛さんのライブの「不思議さ」(これはただの個人的見解です)

メイビー、パーハップス、万一、もしかすると読む方に不快感を与える様なこともあるかも知れません(私はそんなつもりは無いのですけど…)。お嫌な方は退散なさって下さい。あくまで盲目ファンの戯言です。






今回の剛さんのライブ、私はとっても楽しかったんですけど、最初っから最後までとってもとっても不思議でした。彼のライブの音楽は、オーディエンスとの関係性がどうこう、というものじゃない気がするんですね。普通、ミュージシャンのライブって、アーティストと、自分達の曲を愛してくれるファンと「ライブ」っていう場の温度を交感しあうというか、とにかく与え合って盛り上がる確かな関係っていうのを感じるんだけど、彼の場合それをあまり感じないの。極端に客を煽らないっていうのもあるんだけど、とにかくこっちが彼の一挙手一投足に勝手に盛り上がってしまってるよーな不思議な申し訳無さを覚えるというか。でも音に包まれてる剛さんは幸せそうだし。思うに剛さんが本当に「こんな人の前で歌ってみたい」と思うような相手っていうのは、一般の「あ、キンキの剛じゃん。オレちょっと好きなんだよね」的なノリのいい男の子とかなんじゃないだろーか。彼にとってファンって何なんだろう、と考えてしまった。私は好きな人が好きなことやってるのを観てるだけで幸せを感じてしまうタイプだし、ホントに剛さんの歌(楽曲というより「歌」)なんかも好きだから生で聴けると本当に幸せなんだけど、観てる・聴いてるこちらが彼に与えられてるものってあるのかなぁ(泣)。ちょっと疑問な所です。
友達も言っていたけど、とにかく剛さんってあまり動かないのですよね。歌っているときの仕草なんかもう、ホント素敵でついついそれらをガン観してしまうんだけど、その理由の一つには、彼が動かないからっていうのもあると思う。聴きつつ、動くもの追うのって結構大変ですからね。だからじーーっと野鳥の会できてしまう。思うに、彼は売れないバンド時代なんて経験してないから狭いライブハウスで対バンなんかして、「こいつらみんなオレ達のファンにしてやるぜ!」的なギラギラしたファンサービスなんてしたこと無い訳で。それにアイドルが売れてからだと、ちょっと前の列のファンの子にサービスしたら「極端な不公平だ」と映ったり、とにかく「公平に」ファンと接することを第一に考えているようなフシがある。私がKinKiのコンサートを観て一番感動したのもそこでした。ファンを煽る様なノリの動きがあまり無いのに、この広い会場をこの人達はこれだけ走り、歩き、本当にどこにいてもちかくに感じられるように(つってもドームで40ゲートなんていつでも近くないけどさ)努力してるんだなぁと。
剛さんも色々なミュージシャンの方のコンサートに足を運んだりしているみたいだけれど、どういう風にライブを楽しむ人なのかなぁ。パンフでは「アーティストが近くに来てくれると嬉しいし、がーっと盛り上がる。ライブ感はそういう所から生まれる」的なことを語っていたけど、それはKinKiの文脈だしなぁ・・・。うーん。謎の男です、どうもとつよし。でも私は楽しかったし、剛さんも笑ってたし(お客さんにじゃないけど)、いいんだけど。やりがいを感じてソロ活動出来るならばそんなに素敵なことも無いと思うんだけど、オーラスで♪壮大なフューチャー きみと、っていうところで、ファンでは無く後ろのバンドメンバーを指差していたような気がしたのは、私の勘違いかなぁ???とにかく不思議な人です。剛さん。
でも私がこんな違和感を覚えてしまうのも、「ハコ」(オーラスの剛様語録より)がデカ過ぎるせいもある気がするなぁ。もっと狭いところでやったら全然違うんだろうね。うーん。色々難しいです。やっぱり、精神的に、身体的にままならない部分っていうのもあるんだろうし…。あとお客さんの問題もあるのかなぁー。KinKiのファンは基本的におとなしい人が多いですものね。それに、私みたいなダメなファンなんかやっぱり、顔もだいぶ観たくて行ってるし・泣。
私の中でバンドを率いたボーカリストっていうのは、とにかくノリのいい曲ではステージ上を駆けてるイメージなのです。彼が自らを「シンガー」だと言い切るならばこの違和も若干解消されるのだけど、「ミュージシャン」ってまた漠然としてるからなぁ…。あ、でも「シンガーソングライター」とは言ってたね。うーん。
歌に関して言うと、あそこまで最初から最後までちゃんと歌える人だとは思っていなかったので、素直にすごい!と思ったし、CDで聴くよりいいわ〜なんて、ライブ向きの人だとも思った。歌に関しては。特にオーラスは良かった!!剛さん、天才かも知れん。とにかく良かった。後半どんどんよくなっていったものね。失速しないのは凄い。



プラスの要素と、少し惜しい様な要素が入り混じり、色々な状況がとにかく不思議な味のあるこの夏の剛さんのライブでしたが、私が一番感じたのは、つくづく今のソロシンガーとしての剛さんはバラード向きだと言うこと。剛さんのバラード大好き。そんな風に彼の歌が好きだからこそ、ちょっと寂しくなっちゃうんですよね。ファンとして、何も与えられていないような気がして。相手はそんな事思うのもおこがましい、トップアイドルの大スターさまなんだけど…。