KinKi Kidsと音楽

KinKiって、二人とも本当に音楽好きですよね。私はKinKiを好きになる前はバンドのファンだったのですが、なんか普通にそう思います。同じ様なスタンスでファンが出来ることに、自分でも驚きを感じてます。今日は地下鉄に乗っているときG albumを聴いていたのですけど・・・。これはいいアルバムですね。アイドルの場合、アルバムの評価って本当にコンサートの出来次第、みたいなところがあるから、純粋な評価がしづらいんですけど。このアルバムは一曲一曲バラエティーに富んでて、好きです。

このアルバムを聴いて、ますますKinKiがアイドル的方向性を捨てて所謂アーティスト的な方向にシフトしている様な印象を強くされた方は多いと思いますが・・・うーん、どうなんでしょう。
ただ一つ、私が「剛さん、勘違いしているのではっ!?」と思ったのがCDTVのアルバム紹介のコメント。彼は「KinKiに興味ない人が今までで一番聴き易いアルバムになっている」と仰っていたけど、果たしてそうだろうか。多分彼は「アイドルっぽく無い仕上がりだから」という意味合いでこうコメントしたんだと思うけど、それは違う!私は、「アーティスト的」であればあるほど、一般のリスナーはKinKiを敢えて選ぶ理由がなくなっちゃうと思うんだけどな。だって世の中にはもっと、「買うのに恥ずかしくない」普通のアーティストのCDがいっくらでもあるのだから。一般のハートを掴むなら、アイドル的な路線にちゃんと乗っかったクオリティー高い楽曲で、60〜80万枚越えのビッグヒットシングルを生むほうが、よっぽど効果があると思う。
でも、あくまで「聴きやすさ」に限った話なら、確かにGは今までより聴きやすいアルバムなのかなぁ。


まあそれはいいとして。
こういうとき、剛さんの「アイドル・コンプレックス」みたいなものを感じるかも知れない。光一くんは肩書きには拘らないお人だけど、剛さんは「歌手でもミュージシャンでも俳優でもない」自分にやっぱりどっかひっかかってるんだろうなあ。でもそれがまた彼が音楽をやりたい!っていう直接の原動力になってる気もする。音楽に真面目に取り組むことで、「アイドル」の枠を超えたい(WOで市川さんは「超越する」と表現していたけど)のかな。それか、ただ単に他のアイドルとの差別化をはかりたいだけなのか。うーん。謎です。

でも、私が何が不思議って、剛さん、初めのソロの時は「『堂本剛』ソロでは、生きていくこととか、社会と戦うこととか、重いことを歌って行きたい。KinKiでは、ちょっとラブな感じの詩で、そんなに重くないテーマを」(←正確な発言ではありません。ニュアンスで記憶してます)って言ってたのに、Gアルの『ORANGE』、めちゃめちゃ社会と戦って重い詩なんですけど。かと思ったら今回のマキシのM-2、3と、割とラブ&ポップなテーマを歌われてるんですけど。
そういう意味じゃFアルの『WINTER KILL』なんかは凄くバランスが取れてて、良かったと思うんだけど。だから前回のソロの方がすきなのかなあ、私は。何故『ORANGE』の様な楽曲をKinKiのアルバムに入れたのか、ホント謎です。


私が「ああ、剛さんって、本当にアイドルなんだな」って思ったのが何かの雑誌で「ソロでやりたい音楽の方向性が決まった。オレはJポップを歌っていく」みたいな発言を読んだ時です。これってアーティストならまず言わないことばですよね。この人のこういう染み付いてしまったアイドル性っていうのは、切なくもありまたどこか安心する様な・・・「ああ、私アイドルのファンやってんだわ」って実感しました。Jポップやりたいってのは意外過ぎましたけど。「ジェ、ジェイポップ???」って驚いた。それってやりたくてやるジャンルなのか?「そうは呼ばれたくないけど他にカテゴライズ仕様が無いから、仕方無くこう呼ばれてる」っていうジャンルなのかと思ってた。
でも、剛さんのこういう素直さは、なんかいとおしい。
セカンド・アルバムも出ることですし、それを聴いてまた印象も変わるのかも知れませんが、剛さんの今後の方向性が今回のセカンド・シングルをきっかけに、私の中でぼやけてしまった様に思ったのは事実です。彼が何考えてるかわかんないのはいつものこと(というか分かったらコワイ)ですけど、私は二人揃ったKinKi Kids至上主義なので、そのへんのこうとははっきりさせてくれよ!と思っちゃいます。


上で文句みたいなことを言っているけど、『ORANGE』は個人的に好きです。
この曲が静かに静かに終わって、『停電の夜には』のピアノが聞こえてきたとき、「ああー剛さんがKinKiに帰ってきた」って感じがするんですよね。