「西原理恵子の人生画力対決」@新宿ロフトプラスワン (前半) ゲスト:江口寿史先生

下にもちょっと書いたのですが、今回のイベントは雑誌用の企画で、その発売前にレポをあげるのもどうか‥などと迷っているうちに、よそで素晴らしいレポの数々を読んでしまい、「もう私が書かなくてもいいんじゃ‥」と思ってしまった‥が!ここはやはり己が何を思い何を感じたか、あくまでも自分用の備忘録として書き残しておくことには意義があるんじゃないかと思えてきました。というわけでこれはレポートではなく感想文です。尊敬する漫画家の先生を前にして、かつてないほど胸がいっぱいだったため、記憶も不確かです。発言内容についてはできるだけ正確に書き残したい気持ちもありますが、言葉尻や言い回しなどは異なる可能性が大いにあります。コミックナタリーにも写真つきのレポがあがっていることですし、参加者の素晴らしいレポも大量に出ているので、事実を正確に知りたい方は読み比べてご検証ください。すみません。
●会場に辿り着くまで
当日は(私にしては)驚異的な集中力でもって、定時の一時間前に仕事を終わらせ、新宿へ向かいました。アルタやドンキのある東口方面に出て、まずは会場となるロフトプラスワンを確認。すでに何名かのかたが並んでいる様子でした。しばらく後に舞い戻ってくると、「チケット譲ってください」というボードを掲げた女性が‥!(後からヤフオクを見たら、定価30000ペリカ(現在の貨幣価値でいうと3000円)の倍の価格がついていました)。地下におりて受付に並ぼうとすると、なんか見覚えのある顔が‥と思ったら、本日のゲスト江口寿史先生ジャネーノっ‥!私の前に並んでいた人がお知り合いの様子で、「がんばってください」と声をかけていたので、「元アシさんかな?」なんて考えたんですが、何十年前のアシだよwwwと思い直した。会場に入ったらすでに8割がた客が埋まってるっ‥!早いものがちの入場に見事に失敗して早速涙目に‥。新宿着いてたのにあほだろ‥。『言っちゃ悪いがオレら正真正銘のクズ‥‥負けたからクズってことじゃなくて、早く入場できる可能性を追わないからクズっ‥‥!!!!!』というわけでクズ二人はあいている席に別れて座ることに‥でも一緒した某さんが譲ってくれて、私は観やすい席で観ることができました。ありがとう‥本当にありがとうっ‥!
このロフトプラスワンて、面白い会場ですね。ステージの右手側には一段高くなったお座敷席があって、既に激しく飲み食いしている人たちがいて、居酒屋のイメージそのまんま。私はお座敷席のちょうど下に座りました。始まるまでは隣にいた一人参戦の女性とおしゃべりしました。リア充を絵に描いたような風貌なのに、黒沢の話題が通じて興奮。ドリンクをオーダーしたりしゃべったりしているうちに時間になって、ステージ上で会場の男性がアナウンスをし始めました。私はてっきりこの方が編集さんかと思い、「さすが漫画の編集者はアングラな雰囲気だなぁ」などと感心しながら聞いておりました。でも違った。この人はただの会場の偉い人だったw次回の画力対決vs吉田戦車先生の告知などされていました。

このときの会場はまさにざわざわ。みんな、これから始まるイベントへと期待が高まりまくっている感じでした(たぶん)。

■■■1部:江口寿史先生編■■■

●西原先生、編集・八巻さんご登場 〜西原先生美しい〜
ここで拍手に迎えられて西原先生&編集の八巻さんがご登場。もう細かい会話の内容は忘れてしまいました‥><
西原先生(以下、西)「今日は勝ちに行きます」
八巻さん(以下、八)「立ち見の人も出ていますが、今日のイベントは大変人気で、チケットが取れなかったということで」
西「今日は天上人(=福本先生)が来ますから」「飲み屋で(イベントに出てくれるよう)さんざんくどいてたんです」
八「(江口寿史先生について)実は(西原先生とは)初対面なんですよね」「さっき会ったらもうベロンベロンに酔っ払ってて、今日は16時から飲んでたそうです」「江口さん、西原さんの漫画、読んだことないそうですw」
西「感じ悪いよね、私の中では(江口寿史は)江川達也と同じ箱に入ってるから」
なんかここでIしかわじゅんさんのこともdisってたような気がするw
ここで八巻さんが、今日のイベントの構成について説明。前半が江口先生、休憩を挟んで後半が福本先生。
西「(福本先生が)『自分はちょっと描けない方だから』って‥ちょっとじゃないだろw」「今日は福本さんにメカものとか描いてもらいましょう」
西原先生、鬼‥‥!!!!だがそこがいい。

八「前回も来た人っていますか?」
(チラホラ、2割くらいの人が手をあげる)そんなやり取りもありました。


ここで告知というか、映画『女の子ものがたり』の宣伝で、後方のスクリーンに告知映像が流れます。
西「(テレビとか雑誌とか取材は)本当に嫌なの」「別に女優に張り合おうとかそういう気持ちはないですよ、でも誰だってブラッド・ピットとかの隣に並ばされたら嫌でしょ」
面白かったのは、雑誌LEE(集英社)の深津絵里との対談取材について、
西「今まで観月ありささん、ともさかりえさん、蒼井優さん、女優さんと撮影あったけど、彼女たちの恐ろしいのは、あれだけ小顔なのに、さらに私より後ろに下がろうとすることだよね」「彼女たち女優のプロ根性は見上げたものがありますよ」

あとここで、超面白い「カリスマ漫画家つぼ八ケンカ騒動 〜オレのサイバラに何をするんだ編〜」の話があったんですが、詳細を忘れました。確か高井研一郎先生が酔っ払って西原先生にディープキスをして、それを知ったちば先生が激怒、つぼ八でマジメにつかみ合いのケンカをした‥‥とかそんなんだった気がします。ていうか天下のちば先生がつぼ八て。


江口寿史先生ご登場 〜口調がヒロミにクリソツ〜
ここでYMOの「キミに胸キュン」のBGMで江口寿史先生が登場。さっき受け付けで見たまんま。「オーラない」BY.西原先生 
西「仕事してんの」「慰謝料払い終わった?」「ローンは?」「いい税理士紹介するよ」
江「(仕事)してないwwwwwwww」「(慰謝料)払い終わった」「(ローンは)まだあるwwww」
なんかお金の話大好きですねw!
江「(自分は)マンガ界で13番目に絵が上手いから!」
西「ハァ?最近出たイラスト集のさ、あれ線迷ってるもん、迷いまくりじゃん」「しかも顔写真とかのっけてさ、あんなの誰が買うわけ?
江「あ、(線迷ってるの)わかるwwww?」
江口先生、終始こんなん。でかい口を叩きながらも「あ、わかる?」とか言っちゃうところがなんだか憎めないです。しかも口調がヒロミにクリソツ。以下、江口先生の発言はすべて、酩酊したヒロミを想像しながら再生してください。
江「少年ジャンプでかかった病は、一生直らないから」
(マネ、パクリの話題で)
江「(自分がマネしてたのは)大友克洋とか」
西「(さも意外そうに)えええええ」「私の中では(江口先生は)わたせせいぞうと同じハコです」
わたせせいぞうwwwwwwwwwwwwww確かにwwww私の中では江口先生は上條淳士と同じハコ。



●ひばりくんを描いてもらいましょう 〜みんな「どうせ描けない」と思いすぎ〜
八「じゃあ、まずはひばりくんを描いてもらいましょう」
ひばりくんときいて盛り上がる会場。手元をスクリーンに映せるよう、江口先生が立って席順を変わる。目→鼻→口→輪郭‥の順に描いてたような(記憶あいまい)。
江「なんか失敗したな」「日本で20番目に上手いはずなのにw」←この順位は段々下がっていきます

ここで編集さんがパイレーツをリクエストしてたような気がしますが、自信ない。
江「『あしたのジョー』はオレ、上手いよ」
西「練習してきたんでしょ」「マンモス西の鼻からうどんとか」
八「(この間の画力対決で)ちば先生が生でジョーを描いてるとき、会場静まり返ってましたよ」
西「泣いてる子もいたもんね」「『あしたのジョー』は私が描いたら4ページで終わるね、「悪がきが少年院に入りましたー」「豚を殴ってとめました(力石)」「西が鼻からうどんを出しましたー」「最後は力石が死んで真っ白になりましたー」とか、そんなんだよね」
西原先生、『あしたのジョー』好きなんだなぁ‥。韓国人選手とジョーの戦いの話が出たとき、会場から「(対戦相手の技の名前は)チョム・チョム」なんて声も聞けたりして、みんな本当にマンガが好きなんだなぁ‥となんか感動した。みんな好きなんだっ‥、マンガがっ‥!


ここから御題にそった画力対決が始まります。


マイケル・ジャクソン 〜白の時代ですか、黒の時代ですか〜
八「(タイムリーなので)マイケル・ジャクソン描いていただきましょうか」
西「白の時代ですか、黒の時代ですか」
両先生がイラストを描いている間、なぜか編集さんが江口先生の子ども時代の写真をプロジェクタに流してます‥が、会場中わりと関心なさげで笑った。面影ある写真で、可愛かったです。西原先生は沈黙を嫌ってから、マイケルの病気の話から、
西「手術中の死亡事故の原因ていうのは、麻酔が一番多いんです」「医学についてはね、私割りと詳しいんですよ」「麻酔っていうのは仮死状態みたいなものですから一番死ぬリスクは高いんです」
八「あの、西原さん手とまってませんか?」「いちどに二つのことはできないタイプですねw?」
江「これ描き直しってダメ?」
西「(にべもなく)ダメ!」

イラストの画像がないと感想を書いてもつまらないですね‥。どっちもうまかったですよ><


ユザワヤ 〜吉祥寺ローカルネタで失礼〜
八「次の御題は『ユザワヤ』」「吉祥寺ローカルなので、わからない人もいるかもしれません」
江「見てるようで見てない」
西「ユザワヤね、あれなくなるんだってね」「画材とかこれからどうしよう?」←吉祥寺漫画家らしいトーク
ユザワヤは一時閉店するみたいですねー。吉祥寺ローカルネタといいますが、神奈川にもあります。結構、有名なんじゃないかと思うんですが。
西「羊、羊だよね」

↑正解はこれ。サイバラ先生はこの羊を描いていました。

↑江口先生はコレを描いてて、若干の逃げを感じましたwでもこの「湯」の字の描きかたも上手くて、やっぱセンスあるなァと私なぞは思いました><



キン肉マンマキバオー
江「(少年ジャンプといえば)漫画☆太郎とか、カリスマ扱いされてるのかもしれないけど、よさがわからない」「魅力ないよ、あんなの」
何かというと他の漫画家をdisりがち(主に槍玉にあがってたのは某浦沢先生)w

出来上がったイラストは二人とも、キン肉マンというよりウルトラマンになってました‥!
このあたりで江口先生「日本で50番目にうまい」と発言。どんどん順位が下がっていきます!
正解を見て、
江「鼻の穴が大きいんだねw」
マキバオーといえば、鼻の穴‥だろうがっ‥!


●皇太子一家
八「これは、次(後半)のときに頼んだらえらいことになりますからw」
西「(福本先生には)描かせられない」「あれはもうピカソだよね」「キュビスム
西「愛子様はほんとうにお育ちのいい、可愛らしい娘さんですよね」「皇太子さんは、本当にどこの国でも評判がいいんですよ」
以下けっしてここには書けないヤバイ話をとくとくとしてくださるサイバラ先生。あと「岩井志麻子ちゃんがオバマを見るたび『オバマのち○こはでかい』ってうるさい」みたいな話もしていました。


日本武道館
江「オレ、『TO-Y』って漫画描いてるからwww」←確かに江口先生と上條先生はキャラがかぶっとる
西「そういえばさ、最近上條さん新作描いてたけどさ、スタイリッシュ(笑)な絵ってあれだね!今になるともうダサくて見らんないね」
江「(全力で同意)」
何かと他の先生をdi(以下略)。

江「武道館は、タマネギが上にのってるんだよ」
西「タマネギ?タマネギなの?」←全然武道館のイメージが湧かないらしく、ほんとに忠実にタマネギを載せた、ネパールの宗教建築みたいな武道館を描き上げたサイバラ先生w
これは、江口先生がかなりウマかったです。誰が見ても武道館とわかるイラストでした。


深津絵里
西「すぎむらしんいちの描く女性の、場末感がいい」「私が場末だから」
ここでなぜか浦沢先生を激しくd(以下略)。
西「『MONSTER』だと思って読んでたら『20世紀少年』だった」←ここで爆笑する会場もどうかと思う
江「(浦沢先生の)絵がつまらないよ」
西「(映画『女の子ものがたり』の主役について)もたいまさこにやってほしかった」
江口先生のイラストは、フッツーに江口イラストの女性。誰も深津絵里だとは思うまい。
西「(江口先生の描く女性は)ロリだよね」「毛が生えてないもん」「自分の線に逃げちゃダメ」
サイバラ先生のイラストは、小林まこと風w小林まこと風としか言いようのない感じ。
西「本当にね、きれいな人だったんで」「いつも困ったみたいな顔していてね」

どこかで、江口先生が浦沢先生について、「この間初めて会ったよ」「普通のいい人だったw」「CDもらった」と言ってました。
八「倉田真由美さんが結婚するらしいですね」「なんでもバツ5とか、バツ6とか」「父親の人はバツ8らしいですよ、そうなるともうバツじゃないですよね」
西「知らない」「(倉田真由美について)相手にしてないもん」「テレビに出る漫画家なんてロクなもんじゃない」




トキワ荘の寺田さん
ここの部分のメモ、「山上たつひこ」「国友やすゆき」「志はないのか?」というメモしか書いてません‥!イミフ!すみません‥。
西「エロテラさん大好き」←本当に大好きっぽい言い方ですてきでした



矢吹丈
八「江口さんへのサービス問題です」
西「(浦沢先生にも画力対決に参戦してもらって)マンモス西の鼻からうどんを描いてもらおう」
ちば先生はジョーを描くときに帽子から描くそうです。編集さんがここで、前回の画力対決のときにちば先生が描いたジョー、丹下段平白木葉子を見せてくださいました。感激‥!丹下段平がやたら安定感あってステキでしたwジョーは、文字通りジョー(アゴ)が発達していたような。


のび太
江「『ドラえもん』好きだっていう大人、オレ嫌いなんだよね」
西「うちの子供も、『ドラえもん』嫌いだもん、のび太は甘えすぎ、しずかちゃんは取り入るの上手すぎ、ジャイアンスネ夫は実はそんなに悪くないって言うよ」
江「実はそんな人気ないよね」「あんなものあったらいいなって夢想する貧しい時代は終わったんだよ」←言いたい放題。

江口先生はイラストの横に「どらエモン」と書いていて笑いました。逆だろうがっ‥!あとは今好きな漫画は『上京物語』という話題もあったような‥。


●最後にサイン色紙描き
最後に来場者にプレゼントする色紙を描くコーナー。色紙一枚に、三人(江口先生、福本先生、西原先生)がサインをします。左下におもむろにイラストを描き始める江口先生。
西「後の人(=福本先生)が自由に使えるように、スペースいっぱいのこしておいてあげてね」
西「その石があって、後ろに地平線のある描き方、大友克洋っぽいね」
江「だろ?でこの後ろに雲があって‥」
西「それはやなせたかしwww」
突っ込みを受けてアンパンマン(しかもうまいが絶妙にヘロヘロ)を描き出す江口先生。‥完成!サイバラ先生は、二部で最後に描き入れますー。


ここで一部終了。この時点で20:30くらい。