寝る前は、またテレプシコーラを読んだ。もう、篠原姉妹が可愛すぎ。この姉妹の可愛さに身もだえしてしまう。今まで山岸作品の登場人物に親近感を覚えることは少なかったのだけど、篠原姉妹は、まるで親戚の子どもであるかのよーな、リアルな存在感を感じてしまう。私自身も「姉が四月生まれ、妹は早生まれ」の年子の姉妹なので、その影響もあるのかもしれない。私も子どもの頃には姉妹で同じ習い事をしていたし、私も六花ちゃんと同じように、姉は自分より才能やセンスに恵まれているとコンプレックスを感じていた。
篠原姉妹以外も、とにかくキャラクターが生きていると思う。山岸先生の硬質な線とユーモラスな手書き突っ込みのギャップのなせる技だろうか。それに、ストーリーの緩急の付けかたがうまい。北島マヤ並みに、「緊張と緩和」のセンスが光ってる。地の絵とバレエシーンの絵柄のギャップにも惑わされる。見れば分かるとおり、山岸先生、昔と比べてかなり絵柄が変わりました。日常シーンではすっごく不安定な絵のに、ひとたび人物の踊るシーンとなると、昔のままの妖しい魅力が炸裂してる。シーンによって線の質そのものが変わっているかのよーに見える。
その昔、夏目房之介さんが『日出処〜』の厩戸の皇子について、「鬼のような形相と、内心で『毛人、ばか!』と毒づくときの小娘のような様のギャップが云々かんぬん」と言っていたのを思い出した。山岸先生のセンスって独特なんだよね。鳥山先生のジョジョ〜ンや六花ちゃんのうるるる…にポカーンとしているうちに、ため息ものの美しいバレエシーンに突入してしまうんだから。
はァ。マンガって素晴らしい。