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- 作者: 柴田よしき
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1998/03/01
- メディア: 文庫
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全体的に、一作目よりも主人公・緑子の心理描写のウェートが軽くなっているお陰か、格段に読みやすい印象です。女性作家による女性心理描写は女性である私にとってかなり微妙なものなのかもしれない。読んでいると、ついつい同じ「女」としての目線から反論したくなってしまう。それがストレスになることもあるんですよね。緑子に共感する読者なら、彼女の奔放な行動の数々に痛快さを感じたりもするのでしょうけれど、悲しいかな、私には主人公に共感できる部分があまりありません。ある程度自立心を持つようになってからは、同性より異性のほうが気楽に付き合えたりしますよね。そういうことなんだろうと思います。性別は確かに「ただの個性のひとつ」で、それによって何かを判断したりするのは早計…じゃなくて、えーー短絡…じゃなくて。何だろう、浅はかな印象がありますが、「性別をどうとらえるか」の考え方については、その人の人となりを考えるうえで重要なキーポイントになっているのかもしれない、私にとって。
ところで私、最近すっかりヤクザもの好き疑惑が定着している感がありますけど、なんか…やっぱり好きなのかもしれません…ヤクザものが。暴力にまみれた世界って、自分にとって現実感がなさすぎて、むしろ共感しやすいのかも…。いや、これは警察小説か。
今回、緑子の人がらの好さがみてとれるエピソードがあって、それがとてもよかった。困っている人は、ほうっておけないんですね。母親になって、確かに彼女は変わったのかもしれない。私は子を産んだ経験がないので、よくわからないのですけど。もしも自分が母親だったらという視点で考えると、このお話に書かれた事件は、本当にぞっとしないなぁ。ところでこの「ぞっとしない」という表現は一体なんなんだ? 忙しいと忙しないみたいなもん? 違うか。
それにしても…麻生龍太郎と山内練が!!!はぁはぁ。この二人のキャラクターは非常に魅力的ですね!!!!!!!!中盤あたりからはぁはぁしてきて、ラストははぁはぁし疲れで死んじゃいそうになりました。部屋が寒いのに、変な汗かいてて…。なぜか中盤で泣けました。おでん屋さんで緑子と話をしているシーンで。だって酔うと天使になると麻生氏が言うので…。
というわけで、このシリーズを読み終えたいがために、水曜に休暇をとってしまいました。