■
- 作者: 柴田よしき
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1997/10/25
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 21回
- この商品を含むブログ (38件) を見る
お名前からして男性なのかと思っていたんですが、女性作家さんなんですね。読み始めると、ああこれは女性の筆だな、と納得が行きました。逆に言うと、これを男性が書いていたら、ちょっと背筋が寒くなるものを感じてしまいます。
肝心の内容ですが、登場する女性キャラクターの「女性性」がいちいち針のように刺さってきて、読了後は心臓が細かな穴だらけになったような気分でした。ラストの主人公のモノローグを見るに意図的なものだと思うけど、主役の女性の一人称が「あたし」であることにずーっと引っかかってしまった。女と書いて「あたし」と読ませるセンスについていけないものを感じます。
全体的にはスピード感のある展開でよかったです。文体に気負いを感じさせないところもいいと思う。ただ、読み始め、心情描写があまりに自由でびびってしまいましたが。