『幽霊宿の主人 -冥境青譚抄-』 波津彬子
- 作者: 波津彬子
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 1999/12/01
- メディア: 文庫
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
確かに絵に関してはなかなか微妙なラインの方だとは思うのだけど、私はこのバランスの悪さがむしろ最大の魅力のポイントだと思ってしまう。たとえば横顔でいったら、決してこれは理想的なラインではない気がする。額とあごがせり出しすぎているし、後頭部とのつながりも何だか奇妙なときがある。特に女性の造形がときたま宇宙人のそれのように見えることもある。全体的に頭を大きく、身体を細く小さく描かれるので……。
でも、この不安定さが良い。まぁそもそも私が安定感のあるものに色気を感じない、というのもあるのだろうが、この不安定さにとても惹かれる。
で、はまぞうくんで調べてわかったんだけれど、これって初めの巻じゃないのね。シリーズ二冊目なんでしょうか。しっぱいしたー。ストーリーについて触れにくいぞ。ううう。青之介様と幽霊宿を訪れる人とのエピソードをいっこいっこならべていくお話かと思いきや、青之介様はそうそうに館を出てしまわれるし。
↑勘違いでした!!!
そのうちシリーズでまとめて感想を書きます。ストーリー展開もとても上手なので……。いやーどうしてこんなに素敵なお話が書けるんだろう? 魅力的なキャラクターが作り出せるんだろう? しゃれたモノローグが生み出せるんだろう? 私は特に、幽霊と青之介様がキスをするシーンがとても好き。女性の感性ですよねー。こういう種類の繊細さは女性にしかないものですよね。少女漫画って奥深いなぁ。すごいなぁ。うまいなぁ。美しすぎてため息しか出てこないです。はぁ……(恍惚)。すごいなぁ。うまいなぁ。おまけにキャラ萌えもできる。贅沢すぎる!!