『ボーダーライン』で原点回帰

『ボーダーライン』最高。マジ最高。

いやーーーー本当に、B albumの『ボーダーライン』ってどおちていつ聴いてもこんなにアツいんでしょうね。熱いにも程があります。もーこの曲の歌詞と来たらKinKi Kidsの哲学っていうか、人間のリアルな姿っていうか、とにもかくにも人間関係の不可能性とか色んなもの全部十代にして達観してしまったアイドルの悲哀を自ら嘲笑うかの様におちゃらけたボーカルが脱力感満載ながらもコテコテの関西弁が更に自虐度アップっていうか、光一さんの「♪孤独やね〜」とか「♪バ〜イバハア〜イ」とかいっそ無邪気なまでの何も考えて無さそうっぷりで、それで最後には剛さんの「明日僕、何時入り?」光一「とんこつあじ〜」で完膚なきまでにオトしてて、「これで脱力しなきゃ人間じゃないだろ。」って位には二人ともやる気も色気も味気も無くて、それがもう、たまんなくいい(断言)。
KinKi Kidsファンの私に必要なのはこのボーダーラインの哲学な気がしました。
キンキは哲学です。この曲を聴けば皆何もかもどーーーーでも良くなるに違いないのです。
これは「どーーでもいいよ」って投げやりなんじゃなくて、「どう」でも「良い」っていう肯定なんですよ。その精神は、自虐的な言葉で埋め尽くされたこの曲の歌詞の結びの

  • 諦めへん 未練がましいけどな

に表われていると思うのです。これは「テキトー」って言うんじゃなくて、ちゃんと漢字で書く「適当」だと言える位には大人な楽曲なんです。
あーKinKiさいこー(号泣)。これから、KinKiやKinKiのファンの事で悲しいことがあったら、取り敢えずボーダーラインを聴いてみる事にします。
と思ったら乃理さんもボーダーラインと日記に書かれていて驚き。この地球上に2004年11月25日にボーダーラインを聞いていた人間が最低二人はいるかと思うと、何となく感慨深いです。

【参考】

キンキはあらかじめ己自身を知ったコンビゆえに、あえてジャニーズの歴史へのリスペクトを内包した曲をやりまくっても、悪ズレしない。ジャニーズ系タレントは、上からの伝統的な育成術によらずとも、タレントの自覚によってジャニーズ道が保全されるようになっていくのかも。と思えてしまうこともある今日この頃だから、オレはTHE BOOMの「大阪でもまれた男」よりキンキの「ボーダーライン」のほうに軍配を上げるのである。
−『音楽誌が書かない「Jポップ」批評2』 237頁−

こんな風に感じる方もおられるようです。面白いですね。