雑誌『bridge』THE YELLOW MONKEY解散 メンバーソロインタビュー

GOLDEN YEARS Singles 1996-2001
インタビュアーの渋谷陽一氏も仰ってるけど、こういう解散にあたってメンバーそれぞれにそれをメインのテーマに据えたインタビューをするっていうことは極めて稀な事で、渋谷さん自身の三十年以上のキャリアでも初めてのことなんだそうだ。

号泣インタビューでした。いや、泣かなかったけど。


休止してた三年半を語るメンバー四人、それぞれに共通してあったのは「自分はイエローモンキーに依存してた」というニュアンスの言葉でした。これが私には物凄く嬉しかった反面、物凄く痛かった。その言葉が嬉しかったことで、私自身がいかにこのバンドに依存していたかがわかってしまったから。

にしても吉井和哉はひどい。もう、ひどい。ひどいんだけど、こんなにバンドを愛してて、メンバーに愛されてるフロントマンもいないよ。ヒーセもエマも「活動中にもっと吉井君の支えになりたかった」という様なことを言っていて、もう、なんてなんて素敵な人達なんだろうって。このバンドを作ったのも、「解散しよう」って壊したのも(吉井さん曰く、解散の『下手人』)吉井さんだけど、誰一人として彼をなじる人はいないし、むしろ「また彼とやれるなら、それで万々歳」だとすら言ってるんだよ。もう、なんて素敵な人達なんだろう。
インタビュアーが「解散してもこれ程メンバー同士がいい関係を保ててるバンドも気持ち悪いよ」って言う位、音楽的方向性が食い違ってどうこうとか、人間関係のいざこざがどうこうとか、そういう後ろ向きな解散じゃないんだよね。インタビューにあったフレーズで一番印象的だったのが、「これは『解散』するっていう、一つの活動なんだ」というもの。これで初めて、私自身も「ああ、解散がスタートなんだな」って思えました。『活動休止』してちゃバンドにとらわれて、依存して前に進めない、解散して初めてメンバーが初めて一人のミュージシャンとして、バンドの傘も無く、音楽って言う名前の雨に打たれる事が出来るんだって。

ああ、吉井さん吉井さん吉井さん。
私は吉井さんのファンだけど、吉井さんはやっぱり凄く残酷な人だし、多分イエローモンキーっていうバンドを結成せずにいたら、本当にひどい男だったと思う。でもこのバンドを一番愛してて、一番依存してて、一番解散をやり切れないことだと感じてて、でも一番解散を必要としてたのは吉井さんなんだってことも分かってる。
彼の与える愛は大きい。同時に奪う愛も大きい。

本当に不思議な人。それでもメンバーにこれだけ愛されてる訳ですよ。結婚して、子供もいるし。もーーーいたる所で子供作って愛人作って、10回くらい離婚してそうな人なのに、今の奥さんとも別れたりしないし。ほんっと不思議な人。


メンバーは素敵で、吉井さんは最後まで愛情深く、残酷な男でした。でもそれが彼らなんですよね。このインタビューが読めてよかった。やっぱりこのバンドを物凄く愛してます。素晴らしいバンドです。ナンバーワンです。もうこんな風にバンドを好きになることは無いです。不思議だ…。

今私の中での三大不思議な男が、吉井和哉岡村靖幸堂本剛です。滅茶苦茶な取り合わせだなぁ。でも、三人とも今のところ私は物凄く愛してます。これから先も裏切られることは無いでしょう。(っていう期待を裏切ってくれる男だと私は信じている)
この三人って、全然顔のタイプも才能のベクトルも違うんだけど、愛されたくて愛されたくて、愛情に貪欲すぎて、もうそれが原因で「孤独死」してしまうんじゃないかってこっちに思わせるんだけど、でもそういう匂いを分かりやすく撒き散らすが故の前向きさがあるというのかな。なんというか、そういう前向きさに惹かれてます。決して彼らは後ろ向きではないのです。一人はバンドのボーカル、一人は根っからのソロアーティスト、もう一人はデュオのアイドル。なんか「歌」に関わってる点は同じなのに、活動の形態がそれぞれバラバラなのがおかしい。私って雑食なんだな。